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「天と地」レポート 来場者の感想

イベント報告 2023年05月27日

2023年4月8日から5月9日までの1カ月間、三重県伊勢市の賓日館にて開催されてきた展覧会「天と地 熊野古道をめぐる書巡礼」が終了いたしました。たくさんのご来場ありがとうございました。本日は数多く寄せられた感想の中から子どもたちのコメントを紹介させていただきます。

【2つの漢字にあらわしました】

「大」と「勇気」を先生の書いた字からぼくは感じました。まずなぜ「大」を先生の書いた字から感じたかというと小さい文字もこまかくてすごくいいと思ったけど ぼくは、大きな字でバランスがとれていて小さな字では感じとれない はく力があるからです。

あとぼくは、大きな字を書くときにすこし『かさっ』としているのが先生のいいところだと思ったからです。

次になぜ「勇気」がいいと思ったかというと、ぼくもお習字を習っているけど、せいしょを一発で書いてしまうというのは、とても勇気がいるけど先生が書いている動画を見ていて「えいやっ」というかけ声が とても勇気をふりしぼっているように見えるからです。(京都市 山中彪嗣さん [11歳] )

【白光せんせいへ】

大きい字や、小さい字が、ふつうの字じゃなくて 絵みたいかんじました。じぶんでもそんな字をかいてみたいなとおもいました。字がきれいだといいことがあるとおもいました。

字は、まだちょっとしかしらないけど もっと字をしってきれいに かけるようになりたいです。(京都市 山中日陽さん [8歳] )

「天と地」レポート 和歌山県世界遺産センター山西毅治所長講話

イベント報告 2023年05月15日

2023年5月7日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」の最終日、賓日館の大広間で、和歌山県世界遺産センター山西毅治所長の講話「世界の旅人を魅了する熊野」が行われました。

●和歌山県世界遺産センター山西毅治所長による「世界の旅人を魅了する熊野」と題してお話を頂きました。神々が鎮まる特別な聖地での作品展の最終日にふさわしいお話でした。

国内外から、観光地として評価され、右肩上がりで登り続けているのは、山西さんが、数々の戦略がされていることに、感銘を受けました。

まだまだ、素晴らしい場所がある事も映像を通して知り、是非とも訪れたいと思いました。(三重県伊勢市 道明くみこさん)

●去年から、今年は絶対に、熊野に行くことを決めていました。

すると、この1ヶ月の間にどんどん熊野が近づいて来ました。山西さんの日本人が持っている自然に対する想いや甦りの熊野、自分の過去現在未来に向き合うこと、などのお話を聞きもっともっと行きたくなりました。

近いようで遠かった熊野を、今は随分近くに感じています。自分を生きることを楽しみながら、熊野への旅を心待ちにしたいと思います。

山西さんが、「お出での時は連絡下さい、案内しますよ」と、言われたので是非楽しみにしてます。(三重県伊勢市 藤田俊子さん)

●「そうだ京都へ行こう」
このキャッチフレーズだけで何百万人もの人々が京都を訪れるのです。
「そうだ和歌山へ行こう」
このようなキャッチフレーズで、いったい何人の人が和歌山を訪れるのでしょうか?

京都を訪れるのには理由があるんです。和歌山へ訪れてもらう為にも、その理由付けが必要なんです。

そのように、和歌山県世界遺産センターの山西元所長さんは話されていました。

県の職員として、和歌山県産の食品のブランディングや、和歌山県への企業誘致、そして観光局長として、観光客の誘致を手掛けられた山西所長の講演は、成功事例に必要な要素である「人・物・金」の、「人」として山西所長が携わってこられた凄みと喜びを感じた講演でした。

モニタを使い、熊野の綺麗な大自然の画像や、本宮・速玉・那智の画像と共に、観光客の推移を示したグラフを紹介されていました。

何と2003年には6万人だった宿泊者数が、2019年には50万人を超えていました。特にヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアの方々が多いのも特徴でした。

これは私の意見ですが、宿泊者数が増えるには、誰かが何らかの仕掛けを行う必要がありますよね。それを山西所長さんをはじめ県の職員さんや、語り部の方々、ホテル・旅館・民泊の方々、そして神社仏閣や観光業の方々の努力の結果だと思うのです。

私は伊勢に住み、観光業にも携わっておりますので、お客様が来られてはじめて仕事が成り立つんだ。という事は身をもって体験していたはずなのですが、では、「何故お客様は伊勢を訪れるのでしょうか?」という山西所長からの問い掛けに対し、明確な回答を持っておりませんでした。

しかし、山西所長をはじめ県の職員さん達は、ひたすら「熊野にお客様を呼ぶにはどうすれば良いのか?」を考え実行してきたのではないでしょうか。

「熊野古道」と言われても、単なる古い道としか思えない「蟻の熊野詣で」や「熊野巡礼」と言われても、今の日本人には理解されないと思います。が、山西所長曰く、日本のサンティアゴ巡礼路だと言えば、ヨーロッパの方々には一言で理解して頂けるんです。

この数年、外国人観光客からの評価がすこぶる良いと、嬉しそうにおっしゃられていました。県の職員に山西所長が居なければ、成し遂げられない成功事例だなぁと感じながら、聞いておりました。

  • 「Best in Travel 2018」ベスト5:「紀伊半島(和歌山)」【ロンリープラネット】
  • 「2019年に訪れるべき19の観光地」ベスト10:和歌山県(日本で唯一)【Airbnb】
  • 「2020年に訪れるべき日本の観光地ランキング」ベスト 1:「熊野」【Gaijinpot:国内最大級の外国人向け日本情報サイト】
  • 「絶景・海部門」ベスト1:【アフロ(写真総合エージェンシー)】※2位北海道、3位沖縄 
  • 「Best in Travel 2021 サスティナビリティー部門」ベスト 1:和歌山(日本)

今の日本人が忘れてしまった何かが、熊野には有り、多くの外国人を引き付けるようです。

その魅力を山西所長様はじめ多くの方々が、今に伝えておられます。
実際に熊野の山々を歩き、自分のこの目で熊野の自然を体験し、魅力を語れるようになりたいと思えた講演でした。(三重県伊勢市 杉山理さん)

山西毅治所長より展覧会「天と地」への感想をいただきました。

白光先生の書は、私の心を揺さぶるものでした。

ひとつひとつの書の凄さ、迫力は言うまでもないことですが、「紙の質、背景」とマッチした「構図」「それぞれの文字の大きさ、強弱、硬軟」の巧みさはストーリーを感じることができ揮毫した風景を思い浮かべ、先生の思いを感じさせられるものです。

なかでも、「構図」「構成」は私の書のイメージを覆すもので日本人のみが出来得る最高の芸術というものでした。

「書」でここまで表現できるのか!という思いです。

感動をいただきました。ありがとうございました。

熊野の神々の導きで白光先生とのご縁をいただき、書を拝見する機会を得たことに感謝いたします。

「天と地」レポート 熊野本宮大社九鬼家隆宮司 講話

イベント報告 2023年05月13日

2023年5月6日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」が開催中の賓日館の大広間で、熊野本宮大社九鬼家隆宮司に講話「甦りの熊野」をしていただきました。講話に先立ち、語り部の谷口佳子さんによる「熊野曼荼羅絵解き」が行われました。

※九鬼家隆宮司の「鬼」は上に点(ツノ)がない字体です。

【来場者の感想】

●日本の自然信仰の象徴、霊的な存在である熊野三山について、初めて聞くお話ばかり。中州にある大斎原(おおゆのはら)。何故、水に流されるような中州に神が舞い降りたのか、疑問に思っていたが、熊野川の水で浄化される聖域だと言うお話を聞いて納得。多くの方々がまた大斎原をお参りしていることも「甦り」だと思えてくる。災害は、決して悪いことばかりではないと、教えているのかもしれない。

熊野と言えば、三本足の八咫烏(ヤタガラス)。熊野三山で違う形をしているのは、きっと意味があるに違いない。なぎの枝をくわえているのは、前世の罪を浄める速玉大社。なぎの葉は、前世の罪障の象徴ではないかと、想像力を逞しくする。現世の縁を結ぶ那智大社の見返り姿のヤタガラスからは、過去を振り返りながら歩む人の姿を思う。本宮大社の羽根を広げているヤタガラスは、来世に大きく翔び立とうとしているように見えてくる。

全国にある7500か所の熊野大社のうち、本宮大社が6割を占めているのは、貪欲に来世までの安寧を願う、人の本性の現われか。

大自然の下、老若男女、身分、立場、貴賤、宗教、国や民族などの違いを超え、総ての人々が等しく清々しさを感じ、安寧を祈る場があることは、誠に有難いことだと思った。 (災害防止研究所代表、吉田明生)

●まず、「九」は宇宙と繋がっている数字。「鬼」は上の点はなく神という意味だそうで、宇宙と繋がる神の役目を持った苗字だと知ってビックリしました。特に本宮大社は未来に向かっての方向性を示してくれるとの事、直ぐにでも行きたくなりました。

白光先生の「天と地」の書巡礼の始まりの場所であり、宮司様の出会いがあればこそ100点の作品が出来たのだとわかりました。

また明治時代にお宮が大水で流されたのですが、高台に移転を決め なんと1年8ヶ月で再建したこともお聴きして熊野の方の強い信仰心と神がかって建ったのかとも思いました。

熊野は男女を問わず、なにびともお参り出来る所。今も熊野の人のおおらかさはそこから来ているのかとも感じました。

語り部の会、谷口さんの熊野曼陀羅絵解きの説明も感動し全国約5千社の熊野神社があるのも納得出来ました。

九鬼宮司様のお人柄にも感激して是非、熊野詣でに参りたいと思います。(三重県伊勢市 伊藤知佐子)

●谷口さんの曼荼羅の絵解きが立板に水、淀みが無いのに表現力豊かな話に魅了され楽しい限り、近いうちに熊野古道の案内をお願いしようと思いました。

本宮大社の九鬼宮司様には、本宮の知らなかった由緒などをお聞き出来て興味深かったうえに思いがけずも有難い「牛王符」、優しくも力強い文字の「手拭い」などを頂けとても驚き嬉しく、大切に飾っておくと決めました。

熊野方面には何人か友達も出来てご縁が深まっています。この先どんなワクワクが待っているか楽しみでなりません。(三重県多気町 花井和美)

●私が初めて柏木白光先生の作品を目にしたのは、平成25年に世界遺産熊野本宮館で開催された作品展でした。今回、伊勢二見の賓日館において「天と地」と題した作品展と併せて制作にゆかりのある方々の御講演が行われるとお聞きし、5月6日の熊野本宮大社九鬼宮司の御講演に併せて訪問させていただきました。

会場の賓日館は、国指定重要文化財の格調高い伝統建築物で当日は眩い日差しを浴びた庭園の木々が鮮やかな新緑を身にまとい私達を迎えてくれました。

建物に入ると、89箇所にも及ぶ熊野の聖地に赴き書巡礼された「書作品」が大小さまざまな部屋に展示されていました。

自身がその地に赴き、体感・体得された大地と空のエネルギーを書き記された作品に感動を受けました。特に印象に残った作品は「那智の滝」と「風」でした。那智の大滝の躍動感ある流れを表現して描かれた書に圧倒されました。風の書体も目の前で空気が動いているような気持になり、心が惹きつけられました。

今日は白光先生の聖地を描いた書作品と伝統ある日本建築の賓日館が相まって日本の心を垣間見えた気持ちにさせていただきました。

講演会では熊野本宮大社九鬼宮司から、「甦りの熊野」と題して熊野三山(本宮・新宮・那智)の主祭神のお話しや、カラス文字で書かれた牛王神符が三山特有の御神符であること。また、熊野信仰のお守りとしてではなく、戦国の時代には誓約書として用いられた歴史や、御新符の中央に押されている牛王宝印の解説をしていただきました。男女の隔てなく、浄不浄を問わず、何人も受け入れた聖地熊野の九鬼宮司さんは優しく親しみのあるお方でした。

熊野比丘尼の姿で登場された谷口佳子さんからは、熊野観心十界曼荼羅と熊野本宮参詣曼荼羅を用いて当時の熊野詣の様子、熊野にまつわる伝承を絵解きしていただきました。現在に蘇った熊野比丘尼の語りに導かれ、熊野参詣道を巡礼させていただきました。

再来年は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されて20周年を迎えます。熊野の地で白光先生の素晴らしい作品に再び出会えることを願っています。(和歌山県新宮市 小守 充)

「天と地」レポート 災害防止研究所 吉田明生代表理事 講話

イベント報告 2023年05月12日

2023年5月5日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」が開催中の賓日館の大広間で、災害防止研究所の吉田明生代表理事に講話「『天と地』〜道の向こうにみえるもの〜」をしていただきました。講話では、公益財団法人修養団 常務理事 伊勢青少年研修センター所長の武田数宏様にも登壇していただきました。

【来場者の感想】

●私は、学生時代建設工学科で耐震工学や耐震建築を学んでおりました。大学を卒業してゼネコンで耐震建築に携わり、津浪の疑似体験にも参加させていただきました。

伊勢に帰ってからは阪神淡路大震災の被災地にも行かせていただきました。高速道路がものの見事に横倒しになり、旧耐震法で建てられた建物はほぼ倒壊。人間の無力さを痛感しました。

その他、台風や水害の現場等々、修養団にお世話になってからも、東日本大震災の被災地に11回程行かせていただきました。感じたことは、立派な堤防や立派な建物をどれだけ整備しても人の命は防げない。防災よりも自然と共存しながら減災教育を徹底して行っていくほうが効果的なのではないかと思います。

「釜石の軌跡」。あれがまさしく和の精神。まさしく日本人が3000年の長きに亘って培われて来た「和の精神」を減災教育に取り入れ行うべきだと思わせていただきました。

今回の講演を聞かせていただき、益々、吉田先生の活動が重要になってくると思います。私も微力ではございますがご協力させていただきたいと思います。(三重県伊勢市 斉田聖生さん)

●陸上自衛隊での経験、白光先生との関わりを通じ、「天」は、「地」を一生懸命に歩く人だけに見えるものだ、というお話。

特に「あなたの仕事は何ですか」と、仕事の意義を問い詰めると、本質は人のお役に立つことにあると気付きを与えることで、部下に高いモチベーションを持たせることができたというエピソードが印象的でした。

今の時代、悪意なく、本質とつながらない仕事で時間を潰している人、それを指示している人が多くいます。そのことに気づかせ、軌道修正させる力を持つ人が求められていると実感しています。

また、白光先生が、冷戦崩壊後、まだ新しい平和の形を模索していた時代1996年に、地域や宗教を超えて、アート(書)で世界をつなぐイベントをロサンゼルスで開催されたことに感嘆しました。

賓日館の各部屋に展示されている、白光先生の作品からは、パワーと同時に親しみを感じる不思議な感覚を持ちました。

この世界には色々な所に光があると思える、ポジティブなマインドになることができました。(東京都 濱本亮さん)

●参加させていただき、心に残る印象は ご縁を大切に繋いでいらっしゃる、温かい方。

自衛隊のご出身とのこと、向き合ってきた命、国を護るスタンスが一般的な私達より深いものがグッとある力強さ、信頼、安定感は、白光先生とのご縁での、お働きが凄く、また、中山靖雄先生からの学びと、本当に深くとても素敵に繋いでいらっしゃることを感動しております。

書を海外に繋げ、心の神を表現と言葉に置き換えての説明。白光先生のエネルギーの書を海外に繋いでいくお話しは、はかりごとのように感じました。

出逢うべくして出逢い、人は動かされ繋いでいるその流れのさまを吉田さんの温かい言葉で伝えていただき、私までもが、中山靖雄先生からの言葉でなくとも、学ばせていただきました。

書を通し吉田さんの捉え方での表現が戦争という現実的ではない世代に生きている私に、過去、現在、未来への在り方も学ばせていただきました。とても貴重な時間となりました。(高知県安芸市 津野三和子さん)

※中山靖雄先生(1940年〜2015):公益財団法人修養団の理事、伊勢青少年研修センター所長、常務理事を歴任、伊勢道場長などを務めた。2000年「文部省平成12年度社会教育功労賞」を受賞。

「天と地」レポート 仏師 松久佳遊師 講話

イベント報告 2023年05月10日

2023年5月3日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」が開催中の賓日館の大広間で、仏師 松久佳遊師に講話「神さまと仏さまと」をしていただきました。

●仏師の松久佳遊先生のご講演聞かせて頂き、白光さんとのご縁の深さに、感激しました。

神仏の導きに素直に聞かれた白光さんの勉強熱心さと松久先生のご指導の賜物で素晴らしい書作品で、全てにストーリーがあり、話を聞けば聞くほど奥深く神仏のお力添えの強さに感じ入りました。

やはり純粋に一生懸命、素直で明るく努めることの大切さを感じました。

松久先生の優しく自然体で、仏師としての心構え、聞かせて頂きとても素晴らしく、勉強させて頂きました。白光さんが、松久先生に此れからも、ついて行きますと、尊敬されるほど素敵な先生です。

感動して京都に戻ります、ありがとうございました。(京都市 住井啓子さん)

●京都の松久宗琳仏所、松久佳遊仏師が講演されるとの事で友人3人で伺いました。

「仏師は私情を入れて仏像を彫ってはならない…」心惹かれる貴重な講話でした。

白光先生の「天と地」とのご縁は、まさに神仏のお導きと改めて感じ、筆巡礼だからこそ描かれてる作品どれもにエネルギーが満ち溢れておりました。

この度はご縁を頂きありがとうございました。(愛知県一宮市 松島穣さん)

「天と地」レポート 刀剣文化研究所公開刀剣鍛錬

イベント報告 2023年05月09日

2023年4月29日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」が開催中の賓日館の玄関前で、刀剣文化研究所の藤安将平刀匠、上畠宗泰刀匠、石田国壽刀匠による公開刀剣鍛錬が行われました。当日は二見興玉神社による鍛練の安全祈願のお祓いに始まり、三重県知事の一見勝之様にもご挨拶をいただきました。

【来場者のご感想】

●麗らかな春の陽光の下、玉鋼を打つ凛とした響きに、心が清められる思いがいたしました。貴重な機会をいただき感謝を申し上げます。

日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた最高峰の強く美しい武器であるとともに、我が国が誇る伝統文化であり、世界の博物館に一つは所蔵されると言われるほど多くの国々で愛されています。

かのアンヴァリッドや大英、メトロポリタンなどの博物館等において所蔵や展示がなされ、国内でも東京国立博物館などで鑑賞できますが、今後は、日本刀の業や魅力にふれる機会が身近な場所で広まり、その価値が更に広く認められることを願っております。(三重県知事 一見勝之様) 

●日本刀鍛造の打ち始めに会って

民族が民族として、国が国として続いて行くためには、民族の精神と申しますか、こころを伝えて行かなければ国は滅びます。そのこころの大切なものの一つは、祖先たちが、何を美しいと感じたか、美の伝承ではないかと思います。精神、こころという見えないものを伝承するのに、祖先たちは、絵画や書、舞などの舞台芸能など種々の分野に、こころを形にしてまいりました。

今日、日本刀の鍛造の祭典に参列させていただき、しかも、大槌を打たせていただくという生まれて初めての機会に恵まれました。武器である日本刀も、長い時を経て、刀工の方々の研鑽により武士の精神の象徴として、こころを形に表したものと思います。世界に誇れる美、日本人のこころの美を世界に示しました。大槌を打たせていただいた、その時少しですが、伝承された祖先たちのこころに触れることが出来たような気が致しました。しみじみ有難い機会をいただいたと思います。(二見興玉神社宮司 金子清郎様)

●29日は賓日館で、刀の鍛練を見せていただきました!

去年の熱田神宮の初めての刀剣鍛練の時も感動しましたが、今回もまた、丁寧なお仕事につい見入ってしまい、いつの間にか2時間経ってしまっていました。

打ち上がって直ぐの刀を、持たせて頂いて私たちの質問にも分かり安く説明していただきました。貴重な体験を有難うございました。(三重県伊勢市 小辻千里さん)

天と地 寄稿「私の巡礼マニュアル」

イベント報告 2023年05月05日

柏木白光展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」も5月7日(日)までの開催となります。広い展覧会会場をいかにして鑑賞するかの「マニュアル」をお寄せいただきましたのでご紹介します。

「柏木白光展「天と地」私の巡礼マニュアル 」

伊勢湾を渡り松林を抜けた風を背に感じながら 身を清められた思いで賓日館の前に立つと「光」の字が私を迎え入れてくれます。書家 柏木白光展「天と地」の会場です。

先ず制作風景の動画を見た後、その横の「伊勢の道」の間へと進みます。賓日館は元々は皇室の別荘のため、大小さまざまな部屋があり、そこに溶け込むように作品が展示されています。

「伊勢の道」から廊下を渡り「浪速の道」「まほろぼの道」「比叡山」「高野山」へと祈りの巡礼が続きます。

階段を上がり大広間(120畳)の「和 の心」へ。三体の仏像が置かれ、世界平和を願う祈りの世界が現れます。

最後に廊下を渡り、ようよう「能野」へ。そこには、雄大な 空・山・海・滝・淡があり「よみがえりの地」があります。

伊勢から初まり 各々の神や仏に導かれ 辿りついたその地には、母の思いが添えられ、神仏への祈は母の願いと気ずかされます。

入ロの所で作品集が販売されています。その本を見開きながら書巡礼(作品を見進める)をされることをお勧めします。その場の感動と発見を共に持ち帰ることが、出来るように思うからです。(三重県志摩市 昼田実郞さん)

「天と地」レポート 刀剣研究家 髙山雪山氏 講話

イベント報告 2023年05月03日

2023年4月30日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」が開催中の賓日館の大広間で、刀剣研究家の髙山雪山氏に講話「日本刀とは」をしていただきました。

【来場者の感想】

●柏木白光先生が熱田神宮での気魄の籠った「剣」文字を書かれたご縁で、4年前に刀剣づくりの行事を見せていただき、大きな感動をもらい、今回の髙山雪山先生の講演をお聴きする機会に恵まれました。

ご講演では、聴講の私たちに「刀を見て恐ろしいですか? リンとしたものを感じますか? 美しいものと捉えられますか?」との問いかけでした。

確かに武器として作られたものですから、日本人の生き方を糺すことが目的であるならば、「恐れ 筋目 美しさ」が大切だと気付きます。日本刀の定義として「機能 精神 美」との三要素決められたことが納得のいくものでした。

前日に、賓日館庭で刀作りの工程を拝見して、日本人が神代から日本刀に込めて来た思いや、白光先生の書に込めた「剣」の気魄の意味などを感じることが出来ました。

次世代の人たちにぜひ日本刀の素晴らしさを伝えて欲しいと仰ったことを大切に心に刻みました。(三重県伊勢市 中山みどりさん)

●博物館や宝物館で日本刀を見る機会はこれまでにもあり、テレビ番組での映像でもたびたび目にしてきましたが、その美しさだけは分かったつもりでいました。

それが、今回の髙山雪山先生のお話で、日本刀には高い精神性が宿っていることを知り、これまでの自分の理解が、いかに表層的であったかを思い知ることになりました。

日本刀を鍛錬し、磨く行為は、取りも直さず己の心と真正面から向き合い、その心を鍛錬し磨く作業に他ならないと感得した次第です。それがゆえに、日本刀には「剣徳」があり、神器となり得たのでしょう。

いわゆる「日本刀マニア」やガイドブックなどからの表層的知識からではなく、日本刀についての本物の見聞を得られた今回の髙山先生の高話は、単に日本刀の知識に留まらず、人工物でも作り手が生命力を吹き込んだ物には高い精神性が宿ることを教えられ、物を見る目を養う上で、これからの自分の大きな財産になったと感じ、感謝しております。(NPO法人二見浦・賓日館の会 奥野雅則さん)

展覧会「天と地」への感想をいただきました

イベント報告 2023年05月01日

連日、多くの方々が展覧会「天と地」を訪れるとともに、とても嬉しい感想を寄せていただいています。その中から、ある方のコメントを紹介させていただきます。

伊勢の旅 お父様の【道】

伊勢より帰京し、両親と改めて、先生の動画と写真集を見直しています。

「道」というお言葉を頂き、父の歩んできた道が、これからも続くという勢いのある書の生命力を感じたと申しております!先生のお力の生命力を、目の当たりにしました!!!

先生の賓日館展示会が開催されるとお聞きして、真っ先に父を想いました。

父は祖父から続く歯科医として、地域で親しまれており、真面目一筋で純粋に地域医療に励んできて、10年前に何か認められて叙勲をいただき、当時の天皇陛下と美智子皇后陛下に拝謁し、娘としては尊敬してやまない父でした。

86才を迎え、健康だった父が急に元気がなくなり、杖をつきびっこを引き、弱まる姿に、兄弟姉妹4人が、元気を喪失していた父を「何とか力づけたいね」と、ずっと模索し、話をしていたのです。

賓日館で、父は、白光先生の展示会で、先生の映像を見て、嬉しそうな表情で私に話しをしてくれました。そして、何よりも今回の旅でお会いできなかったはずの先生と偶然にも遭遇できて、杖に頼らず足早に先生の元に歩んだ父の姿!

以前のように元気になるはず! 姉妹揃って、先生のお力に感謝です!

気持ちの持ちようで、杖に頼らないで歩けるんだ!と。わたし達も認識しましたし、これからも足が治って、元気でいてくれる父がいると思えた!そんなすごい旅でした!

先生の凄さを目の当たりにできたこと、父が嬉しそうでした!

展覧会『天と地』5月3日(水)、5日(金)、6日(土)、7日(日)のイベント

イベント情報 2023年05月01日

展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」も残すところあと1週間。ゴールデンウィークも「天と地」ゆかりの多彩な専門家が登場するイベントが目白押しです。参加は無料。ぜひ、ご参加ください。

■ 5月3日(水)13:00~15:00

仏師 松久佳遊師 講話

演題「神さまと仏さまと」

松久佳遊 祈りの世界 仏画と仏像 http://matsuhisakayu.jp

■5月5日(金)13:00~15:00

災害防止研究所 吉田明生代表理事 講話

演題「『天と地』〜道の向こうにみえるもの〜」

災害防止研究所 https://www.saibouken.or.jp/

■5月6日(土)13:00~15:00

熊野本宮大社 九鬼家隆宮司 講話

演題「甦りの熊野」

熊野曼荼羅絵解き 谷口佳子30分)

熊野本宮大社 http://www.hongutaisha.jp/

■5月7日(日)13:00~15:00

和歌山県世界遺産センター 山西毅治所長 講話

演題「世界の旅人を魅了する熊野」

和歌山県世界遺産センター https://www.sekaiisan-wakayama.jp

※最終日につき展覧会は15:00に終了となります。講話への参加ご希望の方は、13:00までに展覧会の鑑賞をお願いいたします。