太古から日本人にとって聖地であり続けてきた紀伊山地。そこには、熊野へつづく6本の道があります。
日本古来の神の住む「伊勢路」
その昔 京の院や貴族の参詣ルートだった「紀伊路」
庶民や文人墨客が枯木灘を愛でながら歩いた「大辺路」
修行者を守る神々が住む「中辺路」
空海が開いた修験道の霊場 高野山とをむすぶ「小辺路」
仏教文化が栄えた奈良・吉野とを結ぶ「大峯奥駈道」
なにものにもとらわれることなく太古から続く大地のささやきに耳を澄まし太古から続く大地をなでる風に身をまかせ、柏木白光は2009年より、その聖地にて5年の歳月をかけて作品を制作してまいりました。
2014年1月に開催した展覧会『柏木白光 墨アート展「天と地 ~熊野へ捧げる書巡礼~」』では、集大成ともいえる作品の数々を展示しました。
そして、2015年5月には制作の舞台である三重県伊勢市、そして和歌山県熊野本宮での展覧会を開催。2016年には、ふたたび東京での「三重テラス展」や「護国寺展」が行われました。
会期 2016年9月19日(月)~25日(日)
会場 真言宗豊山派大本山 護国寺(東京都文京区)
会期 2016年4月5日(火)~10日(日)
会場 三重テラス(東京・日本橋室町)
会期 2015年5月2日(土)~5月7日(木)
会場 伊勢市観光文化会館
会期 2015年5月9日(土)~5月17日(日)
会場 熊野本宮館
会期 2014年1月9日(木)~15日(水)
会場 京王百貨店新宿店6階京王ギャラリー
読売新聞三重版 2014年6月13日
古道のいま —7— 大地を感じ書巡礼
墨アート・柏木白光さん
日本最古の神社とされる熊野市有馬町の世界遺産「花の窟(いわや)」。神々の母イザナミノミコトがまつられた高さ45メートルのご神体の前で祝詞を上げ、素足になってひざを折り、筆を墨に浸す。
大分県中津市出身の女流書家柏木白光さん==写真==。墨や岩絵の具を使い、自然から伝わってくるメッセージを詩と絵で表現する「墨アート」で知られる。いにしえの自然と信仰が残る熊野古道に魅せられ、2009年6月から、紀伊半島の聖地を訪れる「書巡礼」を始めた。
花の窟には、秋の例大祭「お綱掛け神事」が行われる10月2日に、11年から3年連続で足を運び、「花祭り」と題した作品2点を書き上げた。イザナミノミコトが女神であることから、平安、鎌倉時代の歌人・西行と現代の女流歌人・小黒世茂の歌を組み合わせたという。
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