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白光詩季折々 9月 「鏡」

白光詩季折々 2024年09月02日

夏から秋へ。新たな季節の訪れを前に、昭憲皇太后の御歌が心に沁みます。

「朝ごとにむかふ鏡のくもりなく あらまほしきは心なりけり」(昭憲皇太后御歌)

毎朝、私達が向かう鏡がきれいだと気持ちが良いように、人の心も、いろいろなものを映す鏡ですから、常に清く澄ませておきたいものです。

平安時代の歌人、大江千里(おおえのちさと)は、闇夜に浮かぶ月の鏡に心を映しました。

「月見ればちぢに物こそ悲しけれ 我が身ひとつのあきにはあらねど」(百人一首より)

柏木白楠(書)、柏木奈菜実(画)

書は心を映す鏡。子どもたちは墨の鏡を磨き続けています。

夏の嵐が過ぎ去った後は、彩りの秋、実りの秋が訪れますように。