白光詩季折々 9月 「鏡」
夏から秋へ。新たな季節の訪れを前に、昭憲皇太后の御歌が心に沁みます。
毎朝、私達が向かう鏡がきれいだと気持ちが良いように、人の心も、いろいろなものを映す鏡ですから、常に清く澄ませておきたいものです。
平安時代の歌人、大江千里(おおえのちさと)は、闇夜に浮かぶ月の鏡に心を映しました。
「月見ればちぢに物こそ悲しけれ 我が身ひとつのあきにはあらねど」(百人一首より)
書は心を映す鏡。子どもたちは墨の鏡を磨き続けています。
夏の嵐が過ぎ去った後は、彩りの秋、実りの秋が訪れますように。