「天と地」レポート 刀剣文化研究所公開刀剣鍛錬
2023年4月29日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」が開催中の賓日館の玄関前で、刀剣文化研究所の藤安将平刀匠、上畠宗泰刀匠、石田国壽刀匠による公開刀剣鍛錬が行われました。当日は二見興玉神社による鍛練の安全祈願のお祓いに始まり、三重県知事の一見勝之様にもご挨拶をいただきました。
【来場者のご感想】
●麗らかな春の陽光の下、玉鋼を打つ凛とした響きに、心が清められる思いがいたしました。貴重な機会をいただき感謝を申し上げます。
日本刀は、日本固有の鍛冶製法で作られた最高峰の強く美しい武器であるとともに、我が国が誇る伝統文化であり、世界の博物館に一つは所蔵されると言われるほど多くの国々で愛されています。
かのアンヴァリッドや大英、メトロポリタンなどの博物館等において所蔵や展示がなされ、国内でも東京国立博物館などで鑑賞できますが、今後は、日本刀の業や魅力にふれる機会が身近な場所で広まり、その価値が更に広く認められることを願っております。(三重県知事 一見勝之様)
●日本刀鍛造の打ち始めに会って
民族が民族として、国が国として続いて行くためには、民族の精神と申しますか、こころを伝えて行かなければ国は滅びます。そのこころの大切なものの一つは、祖先たちが、何を美しいと感じたか、美の伝承ではないかと思います。精神、こころという見えないものを伝承するのに、祖先たちは、絵画や書、舞などの舞台芸能など種々の分野に、こころを形にしてまいりました。
今日、日本刀の鍛造の祭典に参列させていただき、しかも、大槌を打たせていただくという生まれて初めての機会に恵まれました。武器である日本刀も、長い時を経て、刀工の方々の研鑽により武士の精神の象徴として、こころを形に表したものと思います。世界に誇れる美、日本人のこころの美を世界に示しました。大槌を打たせていただいた、その時少しですが、伝承された祖先たちのこころに触れることが出来たような気が致しました。しみじみ有難い機会をいただいたと思います。(二見興玉神社宮司 金子清郎様)
●29日は賓日館で、刀の鍛練を見せていただきました!
去年の熱田神宮の初めての刀剣鍛練の時も感動しましたが、今回もまた、丁寧なお仕事につい見入ってしまい、いつの間にか2時間経ってしまっていました。
打ち上がって直ぐの刀を、持たせて頂いて私たちの質問にも分かり安く説明していただきました。貴重な体験を有難うございました。(三重県伊勢市 小辻千里さん)