「天と地」レポート 和歌山県世界遺産センター山西毅治所長講話
2023年5月7日、展覧会「天と地 熊野をめぐる書巡礼」の最終日、賓日館の大広間で、和歌山県世界遺産センター山西毅治所長の講話「世界の旅人を魅了する熊野」が行われました。
●和歌山県世界遺産センター山西毅治所長による「世界の旅人を魅了する熊野」と題してお話を頂きました。神々が鎮まる特別な聖地での作品展の最終日にふさわしいお話でした。
国内外から、観光地として評価され、右肩上がりで登り続けているのは、山西さんが、数々の戦略がされていることに、感銘を受けました。
まだまだ、素晴らしい場所がある事も映像を通して知り、是非とも訪れたいと思いました。(三重県伊勢市 道明くみこさん)
●去年から、今年は絶対に、熊野に行くことを決めていました。
すると、この1ヶ月の間にどんどん熊野が近づいて来ました。山西さんの日本人が持っている自然に対する想いや甦りの熊野、自分の過去現在未来に向き合うこと、などのお話を聞きもっともっと行きたくなりました。
近いようで遠かった熊野を、今は随分近くに感じています。自分を生きることを楽しみながら、熊野への旅を心待ちにしたいと思います。
山西さんが、「お出での時は連絡下さい、案内しますよ」と、言われたので是非楽しみにしてます。(三重県伊勢市 藤田俊子さん)
●「そうだ京都へ行こう」
このキャッチフレーズだけで何百万人もの人々が京都を訪れるのです。
「そうだ和歌山へ行こう」
このようなキャッチフレーズで、いったい何人の人が和歌山を訪れるのでしょうか?
京都を訪れるのには理由があるんです。和歌山へ訪れてもらう為にも、その理由付けが必要なんです。
そのように、和歌山県世界遺産センターの山西元所長さんは話されていました。
県の職員として、和歌山県産の食品のブランディングや、和歌山県への企業誘致、そして観光局長として、観光客の誘致を手掛けられた山西所長の講演は、成功事例に必要な要素である「人・物・金」の、「人」として山西所長が携わってこられた凄みと喜びを感じた講演でした。
モニタを使い、熊野の綺麗な大自然の画像や、本宮・速玉・那智の画像と共に、観光客の推移を示したグラフを紹介されていました。
何と2003年には6万人だった宿泊者数が、2019年には50万人を超えていました。特にヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアの方々が多いのも特徴でした。
これは私の意見ですが、宿泊者数が増えるには、誰かが何らかの仕掛けを行う必要がありますよね。それを山西所長さんをはじめ県の職員さんや、語り部の方々、ホテル・旅館・民泊の方々、そして神社仏閣や観光業の方々の努力の結果だと思うのです。
私は伊勢に住み、観光業にも携わっておりますので、お客様が来られてはじめて仕事が成り立つんだ。という事は身をもって体験していたはずなのですが、では、「何故お客様は伊勢を訪れるのでしょうか?」という山西所長からの問い掛けに対し、明確な回答を持っておりませんでした。
しかし、山西所長をはじめ県の職員さん達は、ひたすら「熊野にお客様を呼ぶにはどうすれば良いのか?」を考え実行してきたのではないでしょうか。
「熊野古道」と言われても、単なる古い道としか思えない「蟻の熊野詣で」や「熊野巡礼」と言われても、今の日本人には理解されないと思います。が、山西所長曰く、日本のサンティアゴ巡礼路だと言えば、ヨーロッパの方々には一言で理解して頂けるんです。
この数年、外国人観光客からの評価がすこぶる良いと、嬉しそうにおっしゃられていました。県の職員に山西所長が居なければ、成し遂げられない成功事例だなぁと感じながら、聞いておりました。
- 「Best in Travel 2018」ベスト5:「紀伊半島(和歌山)」【ロンリープラネット】
- 「2019年に訪れるべき19の観光地」ベスト10:和歌山県(日本で唯一)【Airbnb】
- 「2020年に訪れるべき日本の観光地ランキング」ベスト 1:「熊野」【Gaijinpot:国内最大級の外国人向け日本情報サイト】
- 「絶景・海部門」ベスト1:【アフロ(写真総合エージェンシー)】※2位北海道、3位沖縄
- 「Best in Travel 2021 サスティナビリティー部門」ベスト 1:和歌山(日本)
今の日本人が忘れてしまった何かが、熊野には有り、多くの外国人を引き付けるようです。
その魅力を山西所長様はじめ多くの方々が、今に伝えておられます。
実際に熊野の山々を歩き、自分のこの目で熊野の自然を体験し、魅力を語れるようになりたいと思えた講演でした。(三重県伊勢市 杉山理さん)
山西毅治所長より展覧会「天と地」への感想をいただきました。
白光先生の書は、私の心を揺さぶるものでした。
ひとつひとつの書の凄さ、迫力は言うまでもないことですが、「紙の質、背景」とマッチした「構図」「それぞれの文字の大きさ、強弱、硬軟」の巧みさはストーリーを感じることができ揮毫した風景を思い浮かべ、先生の思いを感じさせられるものです。
なかでも、「構図」「構成」は私の書のイメージを覆すもので日本人のみが出来得る最高の芸術というものでした。
「書」でここまで表現できるのか!という思いです。
感動をいただきました。ありがとうございました。
熊野の神々の導きで白光先生とのご縁をいただき、書を拝見する機会を得たことに感謝いたします。