那智黒石に般若心経を記した作品を那智山青岸渡寺に奉納
柏木白光は「天と地」シリーズで那智黒石に般若心経を揮毫した作品「依代挿頭し(よろしろかざし)」を制作しました。2月9日、この作品を那智山青岸渡寺へ奉納させていただいたのですが、その様子が「熊野新聞」(2016年2月11日)で報じられました。
那智黒石に般若心経記す
書家の柏木白光さん奉納 那智山青岸渡寺
大分県にある紫鳳書道会の3代目主宰を務める書家・柏木白光さんが9日、那智山青岸渡寺(高木亮享住職)へ経石『般若心経』を奉納した。
柏木さんは熊野古道をテーマにした作品制作に取り組む書家。「天と地」シリーズの作品群を2009(平成21)年から書き始め、同日までに59点を仕上げている。現地制作が柏木さんのこだわりで、熊野三山を中心に畿内広範へ裾野を広げ、遠くは八咫烏(やたがらす)出立の故事がある韓国・奉恩寺に達している。
この日奉納した経石は、長径20センチ前後の那智黒石の原石52個に金字で般若心経を記した作品。如意輪観世音菩薩を強く信仰する縁で、同菩薩を本尊とする同寺に奉納を申し入れたという。
柏木さんは地元支援者で同館元館長の松本純一さんや熊野本宮語り部の会会長の坂本勲生さんと共に参拝。高木住職自ら法要を務め、経石の奉納を本尊に奉告した。
法要を終えて柏木さんは「この経石は松本さんの支えがあったから形にできた。やりがいのある制作でしたし、自分一人ではできなかったと思うので感謝しています。今日は信仰する如意輪観世音菩薩に奉納でき、書家として最高の気分です」と話した。
今後も串本町樫野や田辺市本宮町など46カ所(同日現在)で作品制作に取り組むそう。この日の奉納を機に3年間を「制作第2期」と位置づけ、10年越しの同シリーズ完結を見据えて意気込みを新たにした。
同寺は当面収蔵庫で預かり、お披露目の機会を探るとしている。(猪島 郁)