白光詩季折々 7月 「中津祇園」
7月に入ると、中津の街には、「チキチンチキチン、チキチンコンコン」とお囃子の音色が響きます。
7月末に開かれる「中津祇園祭」。大人も、子どもも、心躍らせて、祭の準備に余念がありません。
幼い頃、「江戸時代、京都へ祇園車をつくりに中津の船大工が京都に行き、郷里に帰ると中津のお殿様が『我が中津にも祇園車が欲しい』と言って中津祇園車が生まれた。神様は京都の八坂神社からやって来た」と教えてもらった記憶があります。
日舞を習い、祇園車で踊っていた母。祭の夜は、遅くまで一緒に祇園車に付いていきました。母との大切な思い出です。祇園車で踊る母はとても綺麗でした。
中津祇園、豊後町御神殿奉斎車、稚児舞(影向楽)。
中津祇園祭で謡われる「影向楽(ようごうがく)」。
開けし国は久方の御世
天津神世の まつりごと
宮居涼しき くらなしの浜
出船入船あれを見よ
須磨の浦の荒木の さくら
散らで残れる磯馴れ松
千早振る 千早振る
神と君との道すぐに
打治まれる御代なれや
民も豊かに澄む水の
流れの末の末ずえも
歌い戯れ千代に八千代に
祇園車に掲げられている「影向楽」の額縁。
子どもの頃の祭りのワクワク。大人になって故郷とつなぐ大切な思い出になりますように。