心の癒し研究所 Healing Heart Organization

■ 心の癒し研究所 設立趣旨

1998年、群馬県高山村のロックハート城の一画に「心の癒し研究所(Healing Hearts Organization : HHO)」を設立しました。

近年、テクノロジーのめざましい進化によって、私たちの暮らしは日々、便利になってきました。その一方で、地球規模での環境悪化が進行し、感染症の蔓延が命を脅かし、そして、人々の関係性が希薄になった社会で痛ましい事件や事故が毎日のように起きています。

この殺伐とした状況に何かできないか。私は書家として、世界と日本の聖地を旅し、その場その場で、調和への祈りを込めて、言葉を、情景を、書によって表現してきました。その創作活動から得た書のエッセンスを伝えるために設立したのが心の癒し研究所です。

書の学びが心にもたらす平穏。書を通じた人と人の交流。世界の子どもたちを書によってつなげる「翔夢」。動画やネットなど多様なメディアを通じた情報発信。そして、心の癒しを求める人々が集える場の創出。

心の癒し研究所では、設立から20年以上にわたり、書のもつエッセンスを数多くの人々に届けてきました。今後も、人々が書の世界を通じて、自らの心の奥にある悠久な時の流れに触れ、今を生きる活力を得られる機会を創っていきたいと考えています。

■ 代表 挨拶のことば

美しいもの 清らかな心 に触れることで
私たちの心は潤い、癒されていきます。
心が本来、美しく、清らかだからこそ、
水紋がゆっくり広がるように、響鳴するのです。

書は、誰もが持っている清らかな心をひきだしてくれます。
濁りのない水を硯に注ぎ、心静かに墨を磨ると、
穏やかにまじわりあいながら、ゆかしい香りが漂ってきます。
スッと背筋を伸ばして真っ白な紙に向かい、筆をおろす。
時に繊細に、時に力強く。

書は、今、そのままの心の顕れ。
今、ここに生かされていることへの感謝、
心も身体も、自然と一体であることを感じることで
命は煌めき、書は生き生きと躍動します。

古来、この世界を創り成す四元素とされた「風」「火」「水」「土」。
ロックハート城がスコットランドからもたらす風は、
この日本の土と融合し、新しいエネルギーを創造します。
そして、白光の墨の一滴が、皆さまの心を少しでも潤すことができるなら、
それに優る喜びはありません。

心の癒し研究所
代表 柏木白光

■ 活動方針

  1. 書の体験や学び、鑑賞、墨のアロマを通じて感覚を回復し、健やかな心身の育成に寄与する。
  2. 企業や団体、学校など要請に応じ、書に関する講和と揮毫を行い、夢や希望の共感に寄与する。
  3. 書を通じた国際交流を実施する。とりわけ子どもや留学生など若い世代の文化体験と理解に寄与する。
  4. 書の内包する精神性を、映像作品や舞台、空間演出など領域を超えて表現し、人々の感性に響く機会創出に寄与する。
  5. 展覧会、常設展示空間、書道教室など人々が集い、交流する場を設け、書をきっかけに心の交流が実現する場を創出する。

■ 活動内容 国際交流書道展 「翔夢(SHOW MU)」

書道による子供たちの国際交流を目指したボランティア・イベント「翔夢(SHOW MU)」。平和へのメッセージを表す文章を、日本と各国の子供たちに書いてもらい、各国で展示していくという試み。これまでに、「般若心経」「枕草子」といった伝統的な文章を、ネパールやハワイ、ロサンゼルス、そして日本各地の子供たちが共同で書き、各国で展示することで、このプロジェクト実現させてきた。 「ハワイの子供たちは少し日本語が分かるせいか、書を筆で書くということに、とても興味を示しました。筆を持った時の目の輝きを見ていると、自分もつい我を忘れてしまう。こうした純な子供たちがいるかぎり、来世紀は大丈夫だ、という気持ちが胸にこみ上げてきました」(柏木白光、朝日新聞・代晃一氏のインタビューに答えて)

<これまでの翔夢>

1996年 第 1回
ロサンゼルス・ジュニア・アート・センター(アメリカ)⇔和歌山県高野山小学校
1996年 第 2回
アイエア学園(アメリカ・ハワイ州)⇔ 広島県広島大学付属東雲小学校
1996年 第 3回
アイエア学園(アメリカ・ハワイ州)⇔静岡県御殿場市小学校、広島県広島大学付属東雲小学校
1998年 第 4回
米軍岩国基地ペリースクール小学校⇔山口県岩国市御庄小
1998年 第 5回
カメハメハ学園(アメリカ・ハワイ州)⇔群馬県沼田市小学校
1998年 第 6回
ネパール⇔広島県江田島小学校
1998年 第 7回
長野1998パラリンピック冬季競技大会参加選手⇔三重県伊勢市障害者施設
1998年 第 8回
長野1998パラリンピック冬季競技大会参加選手⇔埼玉県三郷市障害者施設
1998年 第 9回
長野1998パラリンピック冬季競技大会参加選手⇔大分県中津市内保育園
2002年 第10回
ハワイ・カメハメハ学園(アメリカハワイ州 )⇔田原小学校(東京都台東区)
2012年 第11回
クライストチャーチ(ニュージーランド )⇔宮城県仙台市
2013年 第12回
鹽竈(しおがま)神社(宮城県塩竈市 )展示・交流
2018年 第13回
国際学生寮(東京都文京区)外国人留学生
2018年 第14回
伊勢青少年研修センター(三重県伊勢市)出羽三山神社(山形県鶴岡市) 展示・交流
2018年 第15回
国際交流基金モスクワ日本文化センター 書道体験ワークショップ(ロシア・モスクワ )

■ 被災地の子どもたちが力を合わせ「大地の歌」が完成

ともに大震災に遭ったニュージーランドと日本。柏木白光は書によって子どもたちの笑顔を取り戻してもらおうと、「いのちきらめくプロジェクト」を実施してきました。2012年の秋、ニュージーランドのウエリントン、クライストチャーチ、そして宮城県仙台市の子どもたちが「大地の歌」の詩を一文字ずつ書きました。完成した作品は、2013年1月に宮城県塩竈市にある鹽竈(しおがま)神社で展示されました。


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■ 外国人留学生が「大地の歌」を制作、伊勢と出羽三山神社で展示

2018年秋、東京・白山にある国際学生寮で「外国人留学生向け書道ワークショップ」を実施しました。柏木白光の指導のもと、40名の留学生が、筆の持ち方から、線の引き方、そしてひらがなや漢字の書き方を学び、数十枚の書から成る「大地の歌」を完成させました。同作品は、伊勢青少年研修センター(三重県伊勢市)と出羽三山神社(山形県鶴岡市)に展示。制作に参加した外国人留学生が現地を訪れ、地域の人々との交流も行われました。

制作風景

展示

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■ モスクワ市民に書道体験のワークショップを実施

2018年11月、ロシアのモスクワで開催された「日本の心」国際音楽フェスティバル「陰陽師鉄輪恋愛輪舞曲」ロシア公演に出演。その合間に国際交流基金の協力でモスクワ市民に書道体験のワークショップを実施しました。


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